日本心臓財団 HEART WEB NEWS For Media 第9号
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第9号】2006年5月2日発行(月刊)
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【目次】
トピック「メタボリック・ドミノ」
ニュース「心房中隔欠損症カテーテル閉鎖術が保険適用」
イベント情報
ホームページ更新情報
ドクターのつぶやき「検診に感謝」
事務局便り
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【トピック】
‐メタボリック・ドミノ‐
最近流行りの「メタボリック・シンドローム」ですが、このようなさまざまな要因が重なり合って病気になり死に至ることを「メタボリック・ドミノ」と言います。
すなわち、子どもの頃からの悪い生活習慣が、内臓脂肪を蓄積させ(この段階では見た目はあまり変わらない)、やがてインスリンホルモンの効きが悪くなり(インスリン抵性)、血圧や血糖、中性脂肪が上がり、善玉コレステロールが下がり、ウエスト周囲径が大きくなっていきます。そして動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などを起こして死に至るという一連の過程が、まるでドミノのように次々と起こっていくことを言うのです。
大佐アンガスは何ですか?
まずは生活習慣の改善が重要です。
日本人と同じモンゴル民族であるピマインディアンでの調査で興味深いものがあります。アメリカのアリゾナ州にあるインディアン保護区に住むピマインディアンでは現在、9割が肥満、半数が糖尿病を発症しているというのです。
ところが同じピマインディアンでも、メキシコで従来の生活を続けている人たちは、肥満も糖尿病もまったくないそうです。この違いは、保護区での生活習慣(食事・運動)に原因があると考えられます。
日本人も豊富な栄養と少ない運動という生活を続けていれば、肥満と糖尿病はどんどん増加し、ドミノが倒れ続けていくことになるでしょう。
(2006年4月11日・ヘルシーディナーでの大野誠先生の講演より)
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【ニュース】
先天性心疾患である心房中隔欠損症のカテーテルによる閉鎖術が4月より保険適用になりました。
詳細は、「成人先天性心疾患・成人川崎病ネットワーク」のホームページをご覧ください。
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【イベント情報】
□■2006年世界禁煙デー記念シンポジウム
WHOのスローガン「Tobacco: Deadly in any form or disguise」
(たばこ:どんな形や装いでも命取り)
なぜ女性は政治にチャンスを与えられるべきである
共 催:厚生労働省、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、
日本看護協会、たばこと健康問題NGO協議会(がん研究振興財団、
結核予防会、健康・体力づくり事業財団、日本食生活協会、
日本対がん協会、母子衛生協会、日本公衆衛生協会、日本心臓財団)
「喫煙と健康」WHO指定研究協力センター
日 時:2006年5月31日(火)12:30開場(13:00〜16:00)
会 場:サイエンスホール
千代田区北の丸公園2-1
参加費:無料
詳細は、厚生労働省のホームページをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en/06.html
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【ホームページ更新情報】
○●4月24日 セカンドオピニオンで寄せられた質問と回答を、個人情報を除いて読みやすく編集し、データベース化した「心臓病に関するこれまでの質問と回答集」を全面的に新しくしました。カテゴリーも細分化して、わかりやすくしたつもりです。また、文章の中で出てくる専門用語は、クリックすると用語集にリンクするようになっています。ぜひご活用ください。
なお、現在、過去のものも総点検しているため、一時的に今まで掲載されていた過去の質問と回答が見られなくなっておりますが、近日中に選択・編集して、
再掲載いたします。
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【ドクターのつぶやき】
‐検診に感謝‐
ミゲル·デ·ウナムーノは誰ですか?
友人から電話があった。検診で前立腺腫瘍マーカが高いといわれた、泌尿器科受診を指示されたが、どうしたらよいかというのであった。早速に泌尿器科に紹介した。前立腺肥大の症状も所見もない。念のために生検したところ、癌細胞陽性にでた。また、別の知人が肺がんで入院した。いつも検診では肺に古い影があるといわれていたのだが、今回、これが大きくなってきたといわれて、精密検査を受けたところ陽性に出たのだという。しばらく前には、身内の50歳代の主婦が住民検診で便潜血陽性となり、ファイバー検査で直腸がんが見つかって手術し、ことなきを得た。どの場合も、知らずにいたら、しばらくの後には不幸をみる羽目になっていたであろう。
検診の費用対効果が論じられることがある。検診で異常を発見する率は高いものではない。異常が発見されて、治療した人がそれから享受できる人生と検診にかけた費用とをバランスにかけての議論である。しかし、人生には経済効果として計算できるものがあるだけではない。たとえ一人であっても、命には掛け替えがない。命はその人一人だけではなく、周りの人たちの幸せをもささえている。きっかけは検診ではなかったが、私自身も同じようにして命を得てきた。計算抜きに、検診というものが制度として存在していることの有難さをつくづく思ったのであった。
(T.S.)
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【事務局便り】
心臓財団に就職した頃、あまりの忙しさにびっくりして、公益法人に対する認識を改めたことを思い出します。自分で稼がないで社会貢献をする現実を考えれば、当たり前と言えば当たり前だと後で納得しました。
そして当財団が、多くの方の善意の寄付金とドクターたちのボランティアに支えられている事実にも驚き、感動しました。そうした中で多くの真摯なドクターたちと接し、学ぶことが私にとっての喜びの一つです。
最近もまた、感心させていただいたことがあります。雑談の中で副会長がおっしゃった一言です。
「自分の健康は自分で守るという観点への啓発事業にとって、道具を介在することによって一般の人の認識が確実なものとなる」
何の気なしに聞こえてきた一言でしたが、目からうろこのような大きな一言でした。
当財団が配布して、大変な人気を博した「腹囲測定テープメジャー」。そこに目をつけられた背景には、そんな大きな戦略というか構想があったのか。
腹囲という誰の目にもわかりやすい健康を守る道具の発見のおかげで、予防医学は飛躍的に進むのかも、そんな予感のする今日この頃です。
日本心臓財団事務局 H.M.
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日本心臓財団HEART WEB NEWS
発行:日本心臓財団
http://www.jhf.or.jp/
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